2018/2/2 森田研作写真展

 〇森田研作写真展 『Oh!能!』
~さだまさしから“幽けき美”へ(~2018・2/25)

“幽けき美“、馴染みのない表現ですね。「幽けき」は「かそけき」で、広辞苑には『かそけ・し《形ク》かすかなさまである。かすけし。』とあり、使用例として万葉集の大伴家持の歌『わが宿のいささむら竹吹く風の音のかそけきこのゆふべかも』をあげています。夕風にそよぐ群竹。じっと耳を傾ける大伴家持の耳にかすかな葉擦れの音が入ってきます。静寂が漂っています。ここには現代の私たちがとかく忘れがちな”かそけき音に魅かれる心の姿“が映されています。”静寂“”静けさ“、森田さんは「能の世界」に日本人を活写しました。


<撮影:森田研作>

森田研作(もりたけんさく)さんは1942年、東京都生まれです。1967年、日本大学芸術学部写真学部を卒業し、広告会社勤務を経て1976年2月、写真家として独立し「株式会社ケンクリエーティブスタジオ」を設立しました。以来、日本写真家協会に所属し商業写真家として活躍しています。
1976年11月、グレープを解散してソロ歌手として新たなスタートに立ったさだまさし会長との縁があり、“歌手・さだまさしソロデビューアルバム「帰去来」のジャケットを手掛け、以来、ステージ写真を含め沢山のまさし会長の活動を記録しています。

 
<森田研作さん>     <2007年4月5日・毎日新聞>

森田さんは2007年、ナガサキピースミュージアムで写真展『さだまさしとステージの仲間たち』を開催。
2012年には『さだまさし40周年記念~40th anniversary さだまさし since 1972~40年の軌跡』を開催しており、今回の『幽けき美 森田研作写真展』(2018・1/30-2/25)は3回目の展示です。
何故、能がテーマなのか・・・スタッフが 「Oh!能!」と驚いた森田さんの芸術の香り豊かな作品について森田さんのメッセージが届いています。

『2004年7月27日から長野県諏訪市の原田泰治美術館(*原田さんはナガサキピースミュージアムの名誉館長です)で、「企画展:森田研作“歌声を撮る”さだまさし写真展」を開催した時のことでした。
諏訪湖を挟んだ対岸の下諏訪町立諏訪湖博物館で、特別展「幽玄の美」石塚雅弘能面展が開かれていました。ある日、諏訪湖博物館の館長さんから電話がありました。実は能面作家の石塚先生によると、原田美術館・森田研作写真展の森田君は高校時代の教え子ではないかとおっしゃってるとのことでした。早速、博物館に出向きますと、まさに、高校時代の恩師で英語の石塚先生でした。「やはり森田君か!」と喜んで頂きました。会場には、30点ほどの能面がズラリとケースに収まっており、圧倒されました。そして、すっかり魅了されてしまいました。
石塚先生は、東京商船大学教授を定年退職後、信州蓼科に移住して予てから修業して来た能面の作家としての生活に専念されていました。「先生、この能面の写真を撮らせて下さい」。この時以来、博物館の館長さんのお世話で念願の能面の撮影が始まりました。
残念ながら2015(平成27)年8月に石塚先生は他界されましたが、『幽けき美』というテーマとタイトルを頂き、これをいつも胸に作品を撮ることにしています。』

 
 
森田研作さんの作品は約40点。会場には、当会のボランティア組織「ピーススフィア関東」のO・MさんとT・Mさんから届いた「バラ・チューリップ・ガーベラの花」が寒中に彩を添えています。
展示会は2月25日(日)までで、入館無料です。お出かけ下さい。

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