2014/5/14 テレジン 命のメッセージ

テレジン命のメッセージ (1)

第二次世界大戦中、絶対的な権力を握ったヒトラー率いるドイツは、世界中のユダヤ人絶滅を計画し、アウシュヴィッツをはじめ各地に強制収容所を建設、400万人ものユダヤ人が虐殺されました。
ドイツ国境に近いチェコの町、テレジンにも収容所がつくられ、たくさんのユダヤ人が送られました。その中で10~15歳の子どもたちは親から引き離され〈子どもの家〉と呼ばれる別の建物での生活を強いられました。
劣悪な栄養状態、生活環境の中で過酷な労働をさせられ、後にアウシュビッツ強制収容所でその多くが亡くなりました。

テレジン命のメッセージ (2)

極限状態の子どもたちの姿を見た大人たちが、「子どもたちに明日への希望を持たせてあげたい」と、ドイツ兵の監視をかいくぐり、密かに絵や詩を描かせました。決められたこと以外は一切許されていなかった状況において、大人たちにとっても命をかけた行動だったのです。そんな厳しい状況の中で4000枚もの絵が遺されました。
自分の気持を絵や言葉で表現することは、子どもたちが今ここに生きているという証となり、それが明日を生きる糧となったのです。

テレジン命のメッセージ (4)

テレジン収容所に15000人もの子どもたちが集められ、そのほとんどが犠牲になったことは、日本ではあまり知られていません。
野村路子さんが、テレジンの子どもたちの絵に出会い、その事実を日本に伝えようとチェコ大使館やユダヤ博物館などと交渉し、初めての「テレジン収容所の幼い画家たち展」を開催したのは1991年のこと。野村さんはその後も生き残った人たちへの取材を続け、展覧会、講演活動を各地で行っています。

テレジン命のメッセージ(5)

「戦争はいつも子どもたちを犠牲にします。暴虐や詩に対する怒りや悲しみ、そして平和な家庭に、学校に戻りたいという願いや祈りー大声で叫びたかったはずの言葉を、子どもたちは一枚の絵に描きました。これはテレジン収容所にいた1万5000人の子どもたちのこの世に生きた証の絵です。どうぞ、絵の前に立って、子どもたちの声を聞いてあげてください。」

テレジン命のメッセージ (3)子どもたちの絵26点の他、関連の書籍も閲覧できます。ぜひご来館ください。
テレジンの子どもたち、大人たちの命のメッセージにぜひ触れてみてください。

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