2021/4/27 日本・ポーランド国交樹立100周年 記念切手原画展

〇 日本・ポーランド国交樹立100周年
“記念切手原画展”(2021・4/20-5/16)

ポーランドゆかりの長崎で、日本との国交樹立100周年を記念して発行された記念切手の原画展がナガサキピースミュージアムで始まりました。
100年前、ポーランドを追われてシベリアに流れた“シベリア孤児”の救済物語を背景にしたヒューマニティな企画で、当時からの関りを持つ社会福祉法人・福田会(ふくでんかい*東京都)の主催です。日本の外務省・駐日ポーランド大使館・日本赤十字社などが後援しています。
 
19世紀から20世紀初頭にかけてロシア革命や内乱の最中、シベリアに追われていたポーランドの人たちは住む家もなく身一つで避難民となり、飢餓に加えまん延する伝染病で命を落とし多くの孤児が生まれました。1918年11月ポーランドは独立を回復しますが、交通機関の不備などで帰国は叶いませんでした。1919年3月、日本はいち早く独立を承認し交流開始。その波に乗って日本赤十字は子どもたちの救出に手を差し伸べました。総数は800人余りと伝えられており、内、375人の収容先として宿舎を無料で提供したのが日本で最初に児童養護施設を運営した福田会<1876年創立・当時は福田会育児院>でした。子どもたちは健康を回復後1922年までには、独立を達成した母国へ帰還しましたが、この歴史はポーランドでは今に至るまで語り継がれています。


〈100年前・福田会での集合写真〉

2019年9月、ポーランドでは日本との国交樹立100周年を記念し、『福田会―希望の家』と題した記念切手が発行されました。



〈左:ポーランドで発行された切手/右:同じデザインを使って福田会が作成した日本の切手〉


デザインは、現地の郵政局とヴロツワフ美術大学が公募し選抜されました。選ばれたのが上記切手のデザインで、日本国旗とコウノトリのドッキングです。日本国旗は「日の昇る国=希望を表すシンボル」、コウノトリは「幸せを運ぶ鳥としてポーランドで有名な鳥を日本の伝統文化である折り紙と組み合わせて表現」されています。

展示はこの記念切手及びポストカードになった入選3点を始め応募全作品の原画約50点です。
また先着100名様には、切手のデザインと同じピンバッジを差し上げています。

1930年、フランシスコ会から日本に派遣されたポーランドのコルベ神父らは長崎に「聖母の騎士園」を開き布教にあたります。
神父らは長崎を選んだ理由を“シベリア孤児救済の日本へ関心が高まり、当時ローマに滞在していた長崎出身の里脇大司教(後、枢機卿)に勧められた”と証言しています。コルベ神父は病気のため帰国した際アウシュビッツで処刑されますが、長崎では神父を偲ぶ黄色のバラが生まれ「コルベ」と命名されています。
ミュージアムのコルベも咲いています♪

ナガサキピースミュージアムでは、新型コロナウイルス対策を十分に行い展示しています。
ご来館の際は、マスクを着用してご覧ください。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

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