2019/1/31 「平和か戦争か」朝日新聞に掲載

好評のうちに終了した企画展「平和か戦争か」棚橋一晃現代美術作品展が、展示期間中新聞に大きく掲載され話題になりました。
1月9日(水)朝日新聞の夕刊第一面に掲載されたのに続き、1月18日(金)朝日新聞・長崎版の23面にも“「NO WAR」訴え個展”の大きな見出しで掲載されました。
朝日新聞福岡報道センター・伊藤繭莉記者の記事です。全文をご紹介します。

 
 〈1月9日付 朝日新聞夕刊第一面〉  〈1月18日付 朝日新聞長崎版23面〉

米国で反戦運動を続ける福岡県小倉市(現北九州市)出身の芸術家、棚橋一晃さん(85)が長崎で初めて個展を開いている。テーマは「平和か戦争か」。北朝鮮と米国との戦争回避を願い、独特の力強い画風で平和を訴えている。
 
 黒く塗られたキャンバスに反戦を意味する「NO WAR」の白い文字。そこに、血が飛び散ったような赤色の模様で破壊を表現した作品「戦争を防ごう」。会場のナガサキピースミュージアム(長崎市)には、絵画や書、ポスターなど約30点が並ぶ。
 棚橋さんはふだん漢字一文字や一筆書きなどの抽象的な現代美術を描き、米国やドイツ、中国など世界中で個展を開催してきた。昨年、史上初の米朝首脳会談が開かれたが、「トランプ大統領は衝動的に動く。米朝の全面戦争は遠ざかったように見えるが、油断はできない」と考え、朝鮮半島に近い日本で不戦を訴える個展を開こうと考えた。
 出身地の小倉は長崎原爆の第一目標だった。現在暮らす米バークリーは長崎原爆の原料であるプルトニウムが開発された地。長崎とは縁を感じてきたという。
 書道をたしなみながら英語を教える講師をしていた1977年、翻訳の仕事のため渡米した。米ソが核軍拡を競っていた冷戦期。滞在先のサンフランシスコで核戦争の脅威を感じ、平和運動に身を投じた。
 やがて書や絵画の作品を発表したり、人に教えたりするようになり、運動の中でも作品を活用。2015年の広島原爆の日には、核兵器開発拠点の米ロスアラモス国立研究所内で反核集会に参加し、作品の横断幕を掲げて職員に開発中止を訴えた。
 棚橋さんは「作品は戦争による破壊や残虐性だけでなく、穏やかな平和も描いている。一目見れば伝わる、芸術の力を信じているんです」と語る。
 個展は無料で、27日まで(午前9時半~午後5時半)。21日は閉館。27日は午後2時まで。問い合わせは同ミュージアム(095・818・4247)まで。  (伊藤繭莉)

コメント投稿は締め切りました。