2018/8/1 「“語らずに死ねるか!”~戦場体験展」

〇“語らずに死ねるか!”
~戦場体験聞き取りキャラバン報告展(2018・8/14-9/9)

戦争体験を語り残したい・・・日本全国に広がる戦争体験者の声を求めて、2004年12月、「戦場体験放映保存の会」が結成されました。現在、東京都北区滝野川6-82-2・公益社団法人マスコミ世論研究所内に事務所が設置されており、アジア太平洋戦争の戦場体験を主にビデオ証言として後世に遺す活動を行っています。
2016年、ナガサキピースミュージアムも参加している全国の博物館や市民平和団体の「全国市民ネットワーク」を通じて貝の火運動との交流が深まり、今回の展示会が実現しました。

 
<画・中澤三郎「インパール作戦参加」> <画・上里和子「沖縄で“集団自決”経験・当時6歳」>

「戦場体験放映保存の会」は、主に元兵士・軍属、沖縄や終戦時の満州など戦場となった地域に居た民間人からの聞き取りを行っています。体験者自身が呼びかけの先頭に立ち、戦争を知らない世代のボランティアが収録活動に当たる老若一体の活動を展開しています。保存の会のポリシーとして、“無色、無償、無名”を固く貫いており、どんな立場の人も、どんな意見の持ち主であろうと、ただ戦場体験を語り継ぐ一点だけで手を繋ぎ合い、歴史を正確に遺しておきたいと願っています。


「戦場体験放映保存の会」の活動の主軸は、戦場体験者の「生の声」を記録し、インターネットで放映することです。
URLhttp://www.jvvap.jp

保存の会のメンバーは、ボランティアで、戦場体験の聞き取りの為に全国各地へ赴いています。
未曽有の規模で戦われたあの戦場を語るには、証言の数も相応の厚みを持たなくてはならないと考えています。そして戦時中、当時の若者が本籍地ごとにまとめて軍隊に応召されたという事実からすれば、その戦場体験にはそれぞれの地域の特性が濃厚であるのは当然のことです。全国津々浦々でこの活動を展開する理由もここにあります。
全国各地での聞き取りは、数日から一週間程度のまとまった旅程を立て、チームを組んで巡行します。この活動が「戦場キャラバン」と呼ばれるもので、今回の展示では、この「戦場キャラバン」で伺い収録した体験談を文字にして、一部は映像も展示します。

〇空母「飛龍」艦上攻撃機・真珠湾攻撃
『丁度雲の上に太陽が出て、それがもう非常にきれいでね、あんな美しい日の出というのは今まで生まれて見たことがないという感じがした。これで日本が大変なことになる戦争の初めを作るんだなと、余計こう複雑な感じで、しかしそういう世紀の大きな戦争の初めを先駆けてやれることは、やっぱり男の生きがいだなというふうな、強い喜びというか感動的なもんは持っとったです。』

〇第33師団山砲兵第33連隊・インパール作戦

『3千メートルの山を這い上がって来る兵隊の気持ち、そしてやっと降りてくると平野が見えてくる。「あー、やっともう米の飯が食える」と・・・・思ったとたんにもうガクッとなるんじゃな。たくさんの兵隊がそこに転がっていた。戦争反対という思いを現実に見せてやるんだったら、あの場面をみせてやったら、もう二度と戦争をしたくないと思う。』

“語らずに死ねるか!”・・・あの戦場を体験された人々が、あの戦場で「見たまま・聞いたまま」に語る圧倒的な戦場の実相を是非この機会にご覧下さい。

*開催日時・2018年8月14日(火)~9月9日(日)
           ※8/20(月)・27(月)・9/3(月)は休館日
 *開催時間・09:00-17:30<最終日は14:00閉館>
 *入館無料

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