2021/4/18 小崎登明修道士・帰天

〇 修道士“小崎登明”帰天、93歳 (2021・4/15)

小崎登明(おざきとうめい:本名・田川幸一)さんは被爆で、孤児となりました。長崎市の「聖母の騎士修道院」で育ち、修道士として創立者・コルベ神父の業績を研究するなど日本とポーランドの交流に尽力する一方、自らの被爆体験を語り継いで来ました。4月15日、すい臓がんのため入院先の長崎聖フランシスコ病院で亡くなりました。93歳でした。ポーランド外務大臣功労勲章「ベネ・メリト」受賞(日本人2人目)。


小崎登明<松村明『被爆75年 閃光の記憶』から>

小崎さんは、2019年8月、修道士生活に入って以来記録していた生活の写真展をピースミュージアムで開催し、被爆マリア像やアウシュビッツで処刑されたコルベ神父、被爆直後の長崎で戦災孤児のケアに奔走したゼノ修道士らの“知られない”エピソードの数々を紹介しました。

小崎さんは、2009年から毎日の生活記録を日記スタイルのブログで発信していました。展示会の最終日のブログを紹介させて頂きます。

『 2019年9月8日日曜日
「写真展」無事に終了。若い2人に感謝。展示場の皆さんにもお礼
今朝、ミサのとき、司祭が告げました。「きょうは日曜日ですが、聖母マリアさまのご誕生の日にも当たります」
★あわただしい1日でした。長崎市大浦で開かれている「写真展」が午後2時に終了します。高原修道士さんの運転で、ピース・ミュージアムに向かいました。いま、この日記を書いているとき、午後6時の教会の鐘がなっています。
★午後2時の終了時に、ミュージアムの皆さんと、野々村哲さん、塩沢美樹さんと終わりを見とどけました。写真が記念の1枚です。
★ミュージアムへ行くと、何人もの入場者がいるので、にぎわっているな、と感じました。写真展を始める前は、不安でした。果たして、修道士たちの写真を見に来る人が居るのか。毎日、2人か、3人か、そんな数を考えていました。
★結果は、ミュージアムの職員さんからも、良かったですよと感謝されました。2組、7人のシスターも見たそうです。聖コルベの祭日から始まって、聖母マリアさまのご誕生日に終わった。この記憶は、感謝と共に、トマの脳裏に残るでしょう。野々村さん、塩沢さんとの15秒の出会いが、写真展まで花開いたのです。計画された出来事でなく、ご縁が、5年の歳月をかけて、そのように導かれて行ったのです。
★入場者数は、23日間で、523名でした。その数字に、トマは喜んでいます。嬉しい。』

※ブログ中の「トマ」はご本人のことですが、本名は田川幸一さん。修道士名・小崎登明は、長崎・西坂で処刑された26聖人のひとり・トマス小崎(14歳)から取られたそうです。被爆時17歳だった幸一少年にとって同世代の人生を重ねられたのでしょうか。また、野々村哲さんと塩沢美樹さんはブログの読者で、小崎さん保存の1万点を超えるネガの整理を長年支援しました。

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