2017/9/6 11時2分展

 〇“11時2分を忘れないで!”(~10/1)

長崎にアメリカが原爆を投下し7万人の命を奪い町を壊滅させた1945(昭和20)年8月9日午前11時2分―「忘れないプロジェクト(代表・小川忠義さん)」が呼びかけた『8月9日午前11時2分にシャッターを切ろう!』の作品展が9月5日始まりました。
作品は中国を含め長崎県内外から57点が寄せられました。
この日は初日とあって、マスコミ各社の取材があり、狭いフロアに作品に込められた平和への思いがあふれました。

テレビ取材はNCC長崎文化放送、NBC長崎放送、NCM長崎ケーブルメディアの3社で、NCCとNBCの2局は当日(5日)の昼と夕方のニュース枠で放送されました。また、新聞社の取材は長崎新聞と西日本新聞の2社。
主催した「忘れないプロジェクト」の小川代表はインタビューに答えて「日常の平和な生活が一瞬で壊される恐怖を忘れないで下さい」と話しました。
兵庫県からお見えになったご夫婦は写真の一枚一枚を丁寧にご覧になっていました。

作品にはメッセージが添えられたものもあり、いずれも“平和の大切さ”を強調されています。

●宮城県仙台市:H・J子さんです。
『この日の仙台は大雨をもたらした台風5号が去ったあとの小雨の煙る日でした。仙台駅前は傘の花が開き、夏の高校野球宮城県代表校へのお祝いの横断幕が雨に映えていました。8月9日の朝刊は「長崎原爆きょう72年」の記事と「刻む激闘99回目の夏」として、高校野球の開会式で整列する球児達の勇ましい姿の写真が掲載されていて、天声人語には原爆を書き続け、今年亡くなられた長崎出身の作家林京子さんの子供さんのためにひたすら生きたという被爆体験が紹介されていました。胸がしめつけられるような悲惨な真実があったことを私なりに伝えていけたらと、電車の中や人ごみの駅中で笑顔振りまく子供達を見て思いました。』

●新潟県:A・Hさんです。
『今年の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」において、被爆者代表のかたが「平和への誓い」を朗読されました。その中で、「原爆投下を受け、世界が終わると思った」と回顧なさいました。戦後生まれの私は、戦争という悲惨な経験を経た両親が、必死の思いで生き延びたおかげでこの世に誕生したと思っています。戦禍に倒れた方々、原爆投下で命を落とされた方々に思いを馳せ、「世界が終る」という状況から見事に立ち上がり、今日の日本の繁栄を築き上げた先人たちへの感謝の気持ちを込めて、今年も8月9日11時02分に黙祷させていただきました。私の子や孫やその後の世代の世界中の人々が、私と同様に戦争という経験をしないで済むように心から願っています。』

●神奈川県:M・E子さんです。
『2017年8月9日11時2分――ログハウスでは、子どもたちが鬼ごっこをして歓声をあげていました。澄みきった青空の下、72年前の長崎を思い、ベルを鳴らして平和を祈りました。』

●新潟県:S・A子さんです。
『新潟県阿賀野市立病院待合室――テレビに平和公園の様子が写されます。お喋りしたり、順番待ちという日常な空気が流れていました。』

●神奈川県:A・Dさんです。
『我々若い世代が戦争を忘れず、過ちを繰り返さない世界にしていきたい。』

●中国からは10点が届きました。時計の針は「10時2分」ですが、時差の関係で日本では「11時2分」です。
また、「2016年」は去年の作品ですが、四川省では今年8月8日夜、マグニチュード8・8の大地震があり、世界遺産に指定されている九寨溝の風景が一変したそうです。地震前の貴重な一枚ということで特別展示されました。

 

2017年9月6日付の長崎新聞です。

 

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