〇聖福寺保存会記念誌『聖福寺會記』発行(2016・10/30)
<聖福寺保存会設立50年記念誌『聖福寺會記・萬寿山聖福寺』>
萬寿山聖福禅寺(長崎市玉園町3-77:住職・17代田谷昌弘)は江戸時代初期・延宝五年(1677)創立の名刹で、長崎では、興福寺(1624)・福済寺(1628)・崇福寺(1629)とともに“長崎四福寺”と呼ばれる黄檗(おうばく)宗の寺院です。緑陰大木に囲まれた境内には、国指定重要文化財の山門・天王殿・鐘樓・大雄宝殿の四棟のほか長崎県・長崎市が指定した多くの文化財があり、長崎と中国の豊かな交流の歴史を伝えています。
さだまさし会長原作の映画『解夏(げげ)』やNHK大河ドラマ『龍馬伝』の舞台になるなどこのところ大きな話題となりましたが、創建から300年を超える建造物の老朽化が目立ち、早くから長崎市民を中心とした「聖福寺保存会」が結成され、2006年には長崎史談会の宮川雅一さんらが世話人となって「大雄宝殿修復協力会」が結成され募金等の取り組みが展開されています。
ナガサキピースミュージアムは、この「聖福寺大雄宝殿修復」を支援しようと、2011年6月『黄檗宗“名刹”長崎・万寿山聖福寺』展を企画・開催し、聖福寺の歴史・建造物文化財を写真・パネルで紹介するとともに寺宝「関帝像」を特別展示公開しました。
<企画展「黄檗宗“名刹”長崎・万寿山聖福寺」>
<聖福寺「大雄宝殿」*茶筅塚>
「聖福寺保存会(会長・中牟田真一さん)」は1966(昭和41)年3月、前年の1965(昭和40)年4月「茶筅塚」が建立され、翌1966(昭和41)年1月に江戸時代の武将で茶人・金森重近(号「宗和」*茶道宗和流の祖)の流れを汲む茶室「徹心軒」が同寺「方丈(*住職居室)」に設けられた際、従来の「遠諱(おんき=大法要)奉賛会」を改称し設立されました。茶道文化を通して聖福寺を守っていこうと言うもので、長崎県内の茶道関係者(表千家同門会・裏千家淡交会・鎮信流松和会など)が挙って参加し、毎年4回の茶会(四季釜)、茶道具「茶筅」などの供養などを通して聖福寺の保存に取り組んでいます。
その「聖福寺保存会」設立50年記念の茶会が、2016年10月30日、長崎市玉園町の同寺で開催され、関係者300人が参加し茶の湯を楽しむとともに名刹「聖福寺」保存を誓いました。
<人気の「普茶料理」> <映画「解夏」にも登場“鬼塀”>
50周年記念誌「萬寿山聖福寺」は、同保存会理事・山口喜久子さんらが中心となって編集・発行され参加者などに配布されました。A5版・38頁で、内容は、聖福寺の歴史をメインに、寺宝や文化財・歌碑・後山墓地・普茶料理・保存会の歴史などのほか、映画「解夏」のことなど多彩な読み物・記録となっています。
ナガサキピースミュージアムは、お話を頂き、2011年企画展で使用したメインの歴史資料や写真類を提供し、記念誌発行のお手伝いをしました。
記念誌は非売品です。ご希望の方はナガサキピースミュージアムでご閲覧下さい。