2017/8/24 記憶風景を縫う~チリのアルピジェラと災禍の表現~

「記憶風景を縫う」 チリのアルピジェラと災禍の表現
長崎展のお知らせ

2017年8月29(火)~9月3日(日)まで、長崎県美術館 県民ギャラリーAにて、『記憶風景を縫う チリのアルピジェラと災禍の表現』が開催されます。
時間は10:00-19:00(最終日は16時迄)、入場無料です。

アルピジェラは、南米チリの軍政期(1973-1990年)に作られはじめたカラフルな手縫いの壁掛けです。貧しい女性たちが古着や余り布を縫い合わせ、日常生活の様子や軍政下の政治弾圧の経験をパッチワークに描いたアルピジェラは、現代に生きるわたしたちに深い印象を伝えます。
本展ではこのアルピジェラを、戦争・紛争や災害の経験を描いた国内外の裁縫作品とともに展示し、それぞれの土地で重ねられてきた経験や表現との対話をこころみるとともに、手仕事がことばや地域の壁を超えて有する可能性についても考えます。

長崎展では、被爆詩人として長崎の女性史に名を刻んだ福田須磨子(1922-1974年)による「ぎんなん人形」と「壁掛け」を紹介します。彼女は、原子爆弾被爆10年目を迎えようとする1955年4月、エリトマトーデス(紅斑症)を発症し、高熱で寝込む日々のなか、自身の苦境を「ひとりごと」と題した詩に綴り、注目されました。入退院を繰り返す中、生活の足しにしようと仲間と作り始めたのが、土産物の「ぎんなん人形」と「壁掛け」です。
“寝てばかり、嘆息ばかりでは生きていけない”…前を向こうとする彼女の営みは、軍政期の弾圧下でも工夫を凝らして生き延びたチリの女性たちの体験と響きあいます。

◎関連イベント◎
上映会『われなお生きてあり』―被爆詩人・福田須磨子(1922-1974)の声を聴く―
2017年9月2日(土)14:00~15:30 参加無料、予約不要
会場:長崎県美術館 2階ホール
コメント:徳安恂さん
1973年に放映されたドキュメンタリー『われなお生きてあり』(NBC長崎放送、46分)を上映します。
上映後、本作品をつくられた徳安恂さんのお話をうかがいます。

作品ガイドツアー
2017年9月3日(日)10:30〜11:30 参加無料、予約不要
会場:長崎県美術館 県民ギャラリーA
ガイド:ロベルタ・バチチ|Roberta Bacic(Conflict Textilesキュレーター、通訳あり)
友澤悠季(長崎大学環境科学部)
コメント:山口響さん(「長崎の証言の会」被爆証言誌編集長)
本展の展示作品についてガイドによる解説を行い、長崎の経験とのつながりを考えます。

ワークショップ「アルピジェラをつくってみよう」
2017年9月3日(日)13:00~15:00 参加無料、要予約
会場:長崎県美術館 県民ギャラリーA
講師:ロベルタ・バチチ|Roberta Bacic(Conflict Textiles キュレーター、通訳あり)
参加条件:小学5年生以上
持ち物:不要(使い慣れた裁縫道具、古着屋思い入れのある布地、小物などがあればご持参ください)
アルピジェラはだれでも簡単につくれます。長崎にまつわる記憶を縫ってみませんか?
ご予約方法:「記憶風景を縫う」実行員会〈arpilleras@survivart.net 〉まで、参加者名、人数、連絡先を明記のうえ、メールをお送りください。

詳細は「記憶風景を縫う」実行委員会のHPをご覧ください。
長崎展のページ
https://www.facebook.com/events/808223172671134/
上映会『われなお生きてあり』──被爆詩人・福田須磨子(1922-1974)の声を聴く
https://www.facebook.com/events/473431356352032/

お問い合わせは「記憶風景を縫う」実行委員会までお願いいたします。
TEL:095-819-2784(長崎展実行委員 友澤悠季)

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