●“2016夏”のご報告
(4)夏の企画展・テーマは “継承”<7/20-9/11*全3回>
◆『太平洋の楽園に死の灰が降る~第五福竜丸とマーシャル群島は今』(7/20-8/8)
<広報ポスター> <8月7日・南相馬の子どもたちに“ギャラリートーク”>
* 1954年3月1日、太平洋赤道海域・ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験によって死の灰がマーシャル諸島に降り落とされ、操業中の「第五福竜丸」など多くのマグロ漁船が被爆。繰り返された核実験によって島の人々にも健康・生活など様々な形で被害が出ました。
楽園・太平洋赤道海域での核実験の経過、「第五福竜丸」及びマーシャル諸島島民の被爆と現状を写真パネルやレプリカ「死の灰」展示などによって詳細に報告します。
<展示協力:東京都立第五福竜丸展示館・公益財団法人「第五福竜丸平和協会」>
◆『松尾あつゆき日記・1945(昭和20)年8月9日-15日
~併設「小﨑侃“松尾あつゆき原爆俳句”木版画展」』(8/9-8/21)
<広報ポスター> <展示風景>
* 原爆で妻子4人を亡くした俳人松尾あつゆきはその悲しみを多くの俳句と共に「日記」に残していま
す。その中から被爆当日及び終戦日に到る7日間を抜粋し紹介します。版画家小﨑侃は松尾の原爆
句抄200点を木版に彫り「合掌」として完成、画集「慟哭」として出版しています。
被爆から70年を越えた今、家族を亡くした悲しみを詠み孤独を記した俳人松尾あつゆきを通して
平和の大切さを考えます。
<展示協力:平田周・小﨑侃・長崎新聞社・書肆侃侃房・長崎文献社>
◆『追悼!“ヒバクシャ”吉田勝二~中学生が絵本で被爆体験を“継承”』(8/23-9/11)
<広報ポスター> <紙芝居実演が好評でした>
* 13歳で被爆。全身大火傷で顔に残った傷痕に悩みながらも被爆者運動の先頭に立った吉田勝二
は、2010(平成22)年4月1日死去。今年7回忌。吉田の被爆体験は市内の中学生に絵本化されて
います。被爆者の平均年齢が80.6歳となった今、吉田の足跡とともに継承を考えます。
<展示協力:長崎市立桜馬場中学校・平和案内人田中安次郎>
*来館者のメッセージを抜粋してご紹介します*
◇「原水禁世界大会長崎大会・広島大会のさきがけとなった第五福竜丸について詳しく知りたいと思
ってきました。」(2016・7・30無記名)
◇「今日11時2分、黙祷はおじの墓参り中でした。よく昔の話をしてくれていました。おばは今年98才。一緒に昔の写真を見ました。兵隊さんに行った父や兄のこと、満州から引きあげてきたら長崎は全く違う町だったこと等、鮮明に覚えていて話してくれました。私が誰であるか思い出せなくてごめんネ、と言いつつ自分のアルバムや女学校時代、戦前・戦中・戦後のことは実によく覚えています。皮肉なものです。今日、オリンピックでは体操団体で金メダル獲得でした。歌もですが、こういうフェスティバルが行えるのは平和だからこそだと思います。いつまでも平和が続きますように。」(2016年8月9日、大阪より N・H)
◇「松尾あつゆきさん、龍頭泉の滝の上の美術館<*旧小崎侃美術館>で作品を拝見し、先日、カトリック城山教会にて“水や空”<*長崎新聞コラム>の朗読、松尾あつゆきさんの“原爆句抄”を聞きました。お子さんの名前、由紀子さん。魂の叫び。今日、また、ピースミュージアムで松尾あつゆきさんと出会えて、平和とは感じに来ました。ありがとうございました。」(2016・8・10 Y)
◇「今自分にできることを確かに実行するのみです。ありがとうございます」(2016・8・13 I・T)
◇「2度目ではじめて書けます。生きているということを長崎にも残しておきたいのです。まだまだ元気に生きています。娘と二人で来ました。奈良より。」(2016・8・14 K・M)
◇「from 宮崎市。ふと、立ち寄りました。この(松尾)様の事は初めて知りましたが、松尾様、ご家族、その他大勢の方、無惨ですね。楽しい旅にと思って来たのですが、少しは楽しいこともあったのですが、多くの資料館を回り悲劇に心がふるえました。私の地元の宮崎は昔からそんなに大きな出来事もなく少し淋しいくらいと思ってましたが、長崎は良くも悪くもいろんな出来事があった歴史の街ですね。」(2016-8-16 I・H)
◇「ぼくは初めて長崎に来ました。ピースミュージアムは、せんそうじょうたいの所やせんそうについての事がとてもわかりやすかったです。もう二度とせんそうがおこりませんように。」(28/8/16 N・Y)
◇「今日は、追悼!ヒバクシャ吉田勝二~中学生が絵本で被爆体験を“継承”の展示を見て楽しくてとてもすごかったです。大村の病院に入院している所や川に着いて水飲みをしている所やいろいろな被爆を見てきんちょうしました。」(H28・8・28 諫早市 O・J)
◇「最近“平和”ということについて考える機会が多くあります。しかし、政治や色々なことが関わってくると、なんだか何が正しいのか分からなくなってきます。そのような中でピースミュージアムに来て、展示を見て、平和の本質として忘れてはならないものを思い出せた気がします。ありがとうございます。」
(H28、9、8 早大さだ研 O・S)