2015/11/22 つくばの平和集会で“軍馬の話”

 つくばの平和集会で “軍馬の話”(2015/11/22)
つくば「サイエンスセンター」122KBつくば「会場」110KB
<茨城県つくば市「サイエンスインフォメーションセンター(ノバホール)」>

この平和集会は、長崎市出身の童話作家でつくば市在住の鶴文乃さんが中心となっているつくば市の「大人のしゃべり場」と「嘘だといってくださいを広める会」が主催した『ほっと・コンサートⅨ』。音楽を中心に朗読とお話で構成され、主催者の要請でピーススフィア貝の火運動の増川雅一専務理事がピースミュージアムの企画展「戦争に征った馬たち~軍馬慰霊碑に見る戦争と平和~」から『軍馬の話』をしました。
2015年11月22日(日)開演午後1時30分。当日は連休の真っ只中で市内では多くのスポーツ・文化イベントがあり、しかも時折雨が降る悪天候の中でしたが、110人を超える市民の皆さんが集まりました。

つくば「鶴&増川」104KB つくば「増川講演」100KB
<鶴文乃さんと増川専務理事>     <「軍馬の話」講演風景>

「軍馬の話」の中で増川専務理事は、新たに北海道本別市で取材した「馬踏板(ばふみいた)」を紹介しました。当時の国鉄「仙美里駅」に残っていたもので、軍馬を貨車に乗せる際プラットホームと貨車の間に渡されました。乗車を嫌がる軍馬が多く、馬踏板には蹄の跡が深く刻まれています。作業に当たった駅員さんが退職する時、戦場に散った軍馬に想いを馳せ、懇ろに火葬した上、慰霊碑を建立しました。

北海道「鎮魂・軍馬の碑」121KB 北海道「馬踏板」119KB
<鎮魂「軍馬之碑」(昭和63年10月建之)><旧国鉄「仙美里」駅に残された「馬踏板」>

慰霊碑の銘板には「馬魂不滅」のタイトルで、『中国大陸に、怨念こもる痛恨のいななきを残し、この世を去った軍馬等。その姿は草むす屍か哀れの限りなり。かくして、昇天した「馬魂」は今いずこ。依るべなき異国の空をさまよい続けるも、供養する人もなし。よって、この地、この場所を選び、安らかなる成仏永眠を祈念して碑を捧げん。願わくば、天馬千里を駆け、吾が招魂の祈りに応え、迷わず来たりて、墓碑のもとに集わんことを。』と刻印されています。
このような軍馬慰霊碑は全国で1000基以上が確認されており、終戦70年の今年、各地・各方面で改めて点検・調査が進んでいます。ピースミュージアムでは全国の研究者の協力で企画展を実施するとともに、引き続き取材を行い資料の収集・充実を図っています。
今回の「軍馬の話」には岩手県出身の獣医師さんはじめ多くの戦争を体験したことがない皆さんから大きな関心が寄せられ、軍馬の悲惨な最期に涙する姿も見られました。
「ほっと・コンサートⅨ」は、この後、音楽好きの50歳から80歳代で結成された「フロイデルコールつくば(落合祐子代表)」や、ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを継承する「想いを未来につなぐ朗読の会つくば」、結成32年目を迎えた「つくば少年少女合唱団」などの熱演で大きく盛り上がりました。
つくば「合唱団」107KB つくば「少年少女合唱団」113KB つくば「ライトアップ」109KB
午後5時過ぎ、暮れなずむつくばの会場付近にはライトアップが彩を添え、終戦70年の平和を象徴しているようでした。お世話頂いた「つくば・大人のしゃべり場」の皆さん、また、神奈川から駆けつけてくれたボランティアさんや群馬から応援にお出で頂いた会員の方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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