“被爆の聖母マリア”が見た 「長崎・原爆」
~長崎・浦上キリシタン資料館で企画展~(2015・6/2-8/末)
1900年代初めスペインから長崎・浦上天主堂にもたらされた木製の聖母マリア像は、祭壇に設置されていました。1945(昭和20)年8月9日、浦上に落とされた原爆で天主堂は崩壊しました。瓦礫の中から焼け焦げた顔だけが見つかり、北海道に移住した修道士によって大切に保管され、数年後長崎に戻ってきました。
<被爆前の祭壇> |
<被爆マリア像> |
ナガサキピースミュージアムは、開館当初、『被爆マリア像』展(2003・8/5-17)を開催、当時教会関連以外初の公開展示として大きな話題と反響を呼びました。
『被爆マリア像』はその後レプリカが制作され、海外への平和行脚、教会での展示、イベント等での公開などで平和の使者として活用されています。
今回の企画展では、「被爆の聖母マリア像」の下、アメリカで造られ日本に運ばれた原子爆弾「リトルボーイ」(広島)・「ファットマン」(長崎)や、被爆前の長崎・浦上の上空及びグランドゼロの写真を中心に、被爆柱時計の現物、被爆証言のパネルなどで原爆の実相を展示します。
ナガサキピースミュージアムは、この展示会に長崎地方気象台の協力で、原爆が投下された1945(昭和20)年8月9日の「地上天気図」(当時・軍事機密扱い)と「観測記録」を展示し、投下第一目標「北九州・小倉」から「長崎」に変更され、更に長崎の第一目標「長崎市・中島川常盤橋」ではなく目標外の「浦上」に投下された背景を紹介します。
<地表天気図> |
<観測原簿> |