2014/12/14 ピーススフィア鹿児島 “平和講演会”

ピーススフィア貝の火運動のボランティアグループ 「ピーススフィア貝の火運動鹿児島」が地元の平和団体「わおん」と共催で取り組んだ 「平和講演会」が、12月14日、鹿児島市「かごしま県民交流センター」で開かれ、同運動の増川雅一専務理事が現在ピースミュージアムで開催中の企画展と連動した『馬たちの戦争~軍馬慰霊碑に見る“戦争と平和”』のテーマで講演しました。

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講演会は2本立てで、今次太平洋戦争でいわゆる「特攻隊」作戦に異議を唱えた「芙蓉部隊」の美濃部少佐のエピソードをテーマに、鹿児島市で子どもたちに戦争体験を継承しようと出版した前田孝子さんが静かに平和の大切さ、戦争反対を話しました。

講演会②・全景・105KB 講演会④・前田孝子・106KB 講演会③・スクリーン・82.5KB 講演会⑤・山口良久・100KB

また、会場には、芙蓉部隊の基地があった大隅半島の「岩川航空隊飛行場跡」などの保存活動をしている曽於市の山口良久さんも姿を見せ、薄れゆく「戦争」遺跡保存の様子を紹介しました。

飛行場跡「芙蓉之塔」136KB

 <飛行場跡「芙蓉之塔」>

発電所壕跡・134KB

 <発電所壕跡>

通信司令部壕跡・143KB

<通信司令部壕跡(入口)>

「岩川航空隊」関連では、現在、飛行場跡は住宅地・農地の茶畑などが広がり、僅かに、記念に建立された「芙蓉之塔」や、近くの住宅の地下に残された通信司令部用の「発電所壕跡」が往時を伝えています。「発電所壕跡」は、鉄の代わりに竹を骨組みとした幅1.5mのコンクリ-ト壁に囲まれ、広さは40畳ほど。45度の急階段が残り保存状態は良好ですが、同様の構造と見られるすぐ近くの 「通信司令部壕」は、埋め立てられたのか、空気抜きを含め5か所の出入り口のみで、中に入ることはできません。
2015年は終戦70周年。この機会にあなたも現地を訪ねて見ませんか。

☆鹿児島講演会(2014・12/14)の報告が届きました

「前田孝子さん・増川雅一さん講演会」を無事に、会場いっぱいの参加者(22名)にご参加いただき、終了することができました。

第1部では、前田さんに、自分の古里である岩川(鹿児島)で太平洋戦争末期の1945年の5月から8月の終戦まで活躍した芙蓉部隊についてお話いただきました。国の特攻作戦が強行される中、芙蓉部隊の美濃部指揮官(29歳)は抗命罪を覚悟で特攻作戦でない方法・・・「夜襲作戦」を提案しました。アメリカの沖縄猛攻で行き詰まっていた日本軍もこの「夜襲作戦」を許可しました。その「夜襲作戦」の基地が岩川秘密基地でした。講演の中で、前田さんと御主人が作成されたDVD(『特攻に異義を唱えた芙蓉部隊の前進基地 ~岩川町の海軍航空基地の保存・2009年制作』)が上映され、今も残る当時の戦跡「飛行場・地下発電所・通信部・兵舎」や唯一の生存者インタビューなどが紹介されました。前田さんは、「平和は大切、平和なくしてはなにも、始まらない、だから今、岩川基地のこと、そこの芙蓉部隊のことを子どもたちに知ってもらいたい」と願い冊子も作られ子どもたちに配布されています。前田さんは講演でもこの冊子の中でも「戦火の中にあっても“抗命罪”覚悟で提案・実行した若き美濃部指揮官の“真の勇気”に私たちも、学ぶべきである」と強調されており、強く心に残りました。

第2部では、増川雅一さんに、「馬たちの戦争~軍馬慰霊碑にみる”戦争と平和”」について、お話いただきました。明治・大正・昭和を通じ戦争の中で、兵士の戦友として軍馬は、大いに働いてきました。海を渡った軍馬で帰国出来た馬は少なく、終戦直後、戦地で銃殺され地面に穴を堀り埋められた悲劇も紹介されました。敗戦・捕虜・帰還と云う厳しい状況下で、“戦友”軍馬を殺す道しか選べずに、馬を殺す兵士たちにとっても“戦友”を見殺しにして人間だけ日本に帰るしかなく、兵士たちの心に、馬に対して、申し訳ない・すまないという思いが、馬の慰霊碑にも繋がっているように思いました。「人間の戦争に、君たち馬さんの、気持ちも考えず、戦争の道具として無理やり動員し、働かせてしまった、ごめんなさい。天国では、どうか、幸せに暮らしてください。」という祈りを込めて、作ったんだと思います。
最後は、馬たちの映像と一緒に、さださんの「防人の詩」が流され新たな感動を呼びました。

質疑応答やアンケートからは、たいへん貴重な講演会でした!というご意見を、多くいただきました。
●「いろいろと考えさせられることが大でした。戦争とは? 平和とは? なぜ戦争になったのか? なぜストップができなかったのか?」
●「日本の現状・・・今の若者たちの現状・・・自分も含めて反省しなければならないことが多いような気がする。先人たちの恩を忘れたかのような現代です。戦死した人も、生き残った人も、戦争に翻弄された人達も、今の日本の現状をどのように眺めているだろうと思う。」
●「今、本当の豊かさを見失っているような気がする。いつの世も政府の力で動かされる国民本当に、恐い事だと思う。(美濃部さんのような方が、今おられたら・・・)」

最後に、前田さん・増川さん、参加者の皆さん、ボランティア仲間、素晴らしい講演会になりました、心から、感謝を捧げます。

ナガサキピーススフィア貝の火運動鹿児島 N・K記(2014年12月19日)

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