2011/4/12“平和のバラ園”設置

ナガサキピースミュージアムの西側・三角芝生スペースに“平和のバラ園”を設置しました。被爆地ナガサキにふさわしいバラを植えようと言うことで、平和に関わりのある「アンネのバラ」「プレイ(祈り)」「セント・コルベ」「ピース」の4種類です。
バラ苗は、四国・松山市の「相原バラ園」と長崎市の「あぐりの丘」からの寄贈です。
バラ園設置には、(財)日本花の会長崎支部代表で、NPO法人ながさき千本桜理事長の中村照夫さんを始め、「ピーススフィア貝の火運動」正会員Y・Fさん(熊本市在住)、長崎市「いこいの里」管理センター、長崎市みどりの課、(有)緑清園のご支援を頂きました。植栽に当たっては、みどりの課・園芸指導員の中田昭一郎さんにお出で頂き、スタッフ4人も参加しました。
「アンネのバラ」(10本)、「プレイ(祈り)」(5本)、「セント・コルベ」(5本)。
「ピース」(4本)はつるバラで、特長を生かし、平和のモニュメント「宙(そら)へ」に
伸びるように鉢植えでモニュメントそばに設置します。

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『アンネのバラ』(1972年・ベルギー→日本)
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺の犠牲となった少女アンネ・フランクを偲んで、1955年ベルギーの園芸家ヒッポリテ・デルフォルヘさんが作り、父親のオットー・フランクさんに贈りました。

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アンネのバラは誕生以来、平和を愛し願う人たちの手で世界に広まり大切に育てられました。数多いバラの歴史上、これほど人々に感動を与えたバラはないだろうとも言われています。
オットーさんは1972年、交流していた京都の教会合唱団に届けました。オレンジ・ピンク・赤と色を変えるバラで、「アンネの日記」とともに平和のシンボルとして日本中に広がって行きました。
長崎では、2003年企画展の際、長崎精道小・大村玖島中に苗各3本を寄贈し育てて貰っています。又、原爆資料館や聖母の騎士修道院(本河内2丁目)でも見ることが出来ます。

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『プレイ(祈り)』(1988年・ベルギー→日本)
アンネのバラが日本で大きな話題となったことを知ったヒッポリテ・デルフォルへさんがアンネを改良して姉妹バラとも言える新種を作りました。平和を祈るという意味で「プレイ=祈り」と名付けられました。
1988年、親交のあった四国・松山市の園芸家で「相原バラ園」の創設者、相原嘉寿雄さんに贈りました。ピンクがかかったアイボリーの清楚な色合いで、爽やかな香りを持っています。
ナガサキピースミュージアム2F三角窓のステンドグラスは星の世界へ向かう平和の鳩をイメージして『祈り』と命名されています。福岡県糸島市在住のステンドグラス作家・小森淳一さんが制作し、寄贈された作品です。偶然とは言えバラと同じタイトルとなりました。
長崎では数少ないバラの一つで、今後増やして行きたいバラです。

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『セント・コルベ』(1955年・熊本市)
熊本市のバラ愛好家・高木寛さん宅のバラ園で見つかりました。「プレイ=祈り」の枝変わりで、発見者高木さんが名付け親です。
高木さんは浦上カトリック・禁教令時代の著名な指導者のひとり、高木仙右衛門の子孫です。長崎で布教活動(1930-36年)に当たり、第二次世界大戦のアウシュビッツで殺されたポーランド人、マクシミリアノ・マリア・コルベ神父に由来しています。
コルベ神父は、死刑を言い渡された収監者の身代わりを申し出て処刑されました。そのエピソードは後世に広く伝えられています。
熊本市では1995年以降、毎年の春・秋に開催されるバラ展で人気を呼んでいますが、長崎では初登場とも言えるバラです。
平和と生命の大切さを秘めた黄色のバラです。
今後、長崎の子どもたちに広めていきたいと考えています。

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『ピース』(1949年・アメリカ→日本)
世界で最も有名な「ピース」は、第二次世界大戦終結間近、パリがナチスから解放された頃考案され、ベルリンが陥落した日(1945・4/29)に命名された歴史的なバラです。1949年の日本貿易博覧会に米国から空輸され、敗戦で打ちひしがれた多くの日本人に文字通り平和を実感させました。又、同年、国際連合創設が協議された際、連合国50カ国代表の宿舎には大輪の「ピース」が置かれ、全米バラ園芸協会のメッセージが付いていました。
『願わくばこの花の名において全世界に恒久の平和と安定がもたらされますように、ご活躍をお祈り申し上げます。』
「ピース」は世界中のバラ愛好家に育てられ更に拡がっています。
長崎には、2005年の平和祈念式典の際、大きなバラ園を持つ山形県村山市から寄贈され、一部が「あぐりの丘」で育てられています。
「ピース」とともに、世界平和が永遠に続くことを切望しています。

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