2022/7/12 「平和への嘆願2022」開催中

現在ミュージアムでは「平和への嘆願2022 コロナ禍でのフランスの子どもたちの願い/2017年からの往復書簡」を開催しています。

            
〈平和への嘆願(2019年開催)〉    〈平和への嘆願2022〉

 フランスの美術学校で講師を務める伊藤英二郎さんの企画で、2019年7月に開催した「平和への嘆願」展の第2弾となります。第1弾では、フランスの子どもたちが広島・長崎への原爆投下の歴史を学び、平和への思いを描いた漫画を展示しました。
この展示の際、来館者の皆様に書いて頂いたフランスの子どもたちへのメッセージは、フランス語に翻訳され、フランスでの「平和への嘆願」里帰り展の際に展示されました。
  

今回の展示は、2021年にパリ郊外のバニュー市で開催された平和授業で制作された作品がメインです。


「バーチャルリアリティー戦争美術館を訪れ、アバターとなった自分が平和のメッセージを語る」

バニュー市の子どもたち9名(8歳~15歳)の作品で、自分たちがアナログなアバター(分身)になり、世界の美術館に飾られている戦争をテーマにした絵画を学び、アバターが平和へのメッセージを語るというものです。アバターの服は“環境問題”や“持続可能な社会”の考えから、お菓子の包み紙を再利用しています。

 

メッセージには「世界のために平和を」「争いでは何も解決しない」などの平和への思いが書かれています。
 

他には、戦争をテーマにした11歳~14歳・3名の漫画作品、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった後に制作された8歳~10歳の版画作品「あなたは世界に何を望む?」、伊藤さんの元教え子で現在プロのアニメーターの女性が長崎をイメージして描いた作品、2019年の展示作品の一部、子供たちの制作風景の写真などを展示しています。
 

 展示の模様は、6月23日付の長崎新聞、6月30日付の西日本新聞に掲載されました。全文をご紹介します。


〈2022年6月23日(木) 長崎新聞12面〉

フランスの子どもたちが原爆投下の歴史や被害を学び、平和への願いを漫画で表現した作品の展示会「平和への嘆願」が21日、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。7月18日まで(月曜休館、祝日除く)。
 フランスの美術学校講師、伊藤英二郎さんが企画。展示しているのは、パリ郊外のバニュー市で8~15歳の生徒が描いた作品9点など。新型コロナ禍のリモート授業などを通して経験した仮想的な社会を表現しようと、自分のアバター(分身)が「バーチャル戦争ミュージアム」を訪れるという設定で制作した。
 生徒たちは、ピカソの絵画「戦争と平和」や原爆投下後のきのこ雲の写真など戦争にまつわる資料を縮小コピーしたり、自分で描いたりして、ミュージアムに見立てた画用紙に貼り付けた。
 戦争をモチーフにした絵画などを通して惨禍を学んだアバターたちが「いつまでも平和が続くことを願っている」「争いでは何も解決しない」などのメッセージを語っている。 (橋本真依)』


〈2022年6月30日(木) 西日本新聞19面〉

『フランスの子どもたちが平和への願いを込めて作ったコラージュなどの作品16点を展示する企画展「平和への嘆願2022」が長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれている。7月18日まで。
 制作したのはフランス・バニューの8~15歳9人。コラージュは戦争をテーマにした絵画作品のコピーなどを紙に貼り、日本のアニメふうのアバター(分身)を描いて「戦争はいけない」などと平和へのメッセージを添えた。このほか原爆について描いた2ページの漫画や、コラージュの制作風景の写真も並ぶ。
 子どもたちを指導し作品展を企画したフランス在住の美術学校講師、伊藤英二郎さん(50)は「日仏の文化を通してより良い平和を発信したい」とコメントしている。 (松永圭造ウィリアム)』

今回も来館者の方からたくさんのメッセージを書いて頂いています!

「平和への嘆願2022」展は7月18日(月・祝)まで開催しています。入館無料です。
フランスの子どもたちによる平和への願いを是非ご覧ください!

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