2022/3/17 「フォトグラファー体験 作品展」開催中

現在ミュージアムでは、「被爆者のいまを伝えよう フォトグラファー体験 作品展」を開催中です。
長崎の15歳~27歳の若者8名それぞれが被爆者の体験を聞き取り、被爆者のポートレート写真と撮影風景の写真、聞き取った被爆体験、自分の感想などをセットにして展示しています。初日には多くのマスコミの取材がありました。3月10日(木)付の西日本新聞、3月16日(水)付の長崎新聞に掲載されたほか、TVニュースでも取り上げられました。西日本新聞と長崎新聞の全文を紹介します。


〈2022年3月10日(木)付 西日本新聞・21面〉

『 被爆体験の継承に関心のある若者8人が被爆体験を聞き取り、併せてその被爆者を撮影する「フォトグラファー体験事業」の作品展が長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれている。27日まで。入館無料。
会場には、15歳~27歳の参加者がそれぞれ撮影した被爆者8人の写真が並び、聞いた体験や印象に残った言葉とともに展示される。
被爆者が歩んだ人生を物語る内容となっている。
青空の下、直立する姿で写るのは4歳で被爆した増川雅一さん(80)。外出中の父と祖父が原爆により骨も残らず亡くなった体験のほか、馬に親しみを持つエピソードも紹介される。撮影、執筆した長崎南高2年の遠藤光さん(17)は「被爆後の人生を含め多くの話が聞けた。自分なりに伝えていきたい」と語り、写真を見た増川さんは「恥ずかしいが、よく撮れている」と笑った。
事業は同市の写真スタジオ「スタジオ・ワン・ナガサキ」が企画。本年度始まった市の平和発信支援事業の一つに選定された。
スタジオ代表の草野優介さん(34)は「若い人が被爆者と向き合う様子をイメージして見てほしい」と話した。   (坪井映里香) 』


〈3月16日(水)付 長崎新聞 10面〉

『 撮影を継承の“入り口”に―。県内の中高生らが被爆者の「いま」を写真に収め、体験を聞き取るプロジェクトの作品展が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開催されている。企画したのは同市の写真店経営、草野優介さん(34)。柔和な表情のポートレートや、若者が被爆者に聞いた平和へのメッセージなどを組み合わせた作品8組が並ぶ。27日まで。
草野さんは長崎平和推進協会・写真資料調査部会に所属。原爆写真の収集や調査の第一人者である被爆者、深堀好敏さん(93)の活動や思いをレンズ越しに追い続けている。被爆者の高齢化で記憶継承が課題となる中、「自分が続けてきたことを若い人にも体験してほしい」と考えた草野さん。若者に取っ付きやすいカメラによって継承活動のハードルを下げ、「今しか聞けない話を聞いてほしい」と企画した。
昨秋から県内の学校や団体を通じて30歳未満の参加者を募り、10~20代の8人が参加。主に草野さんが知り合いの被爆者を若者に紹介したほか、被爆した祖母に取材した人もいた。8人の若者はそれぞれ被爆者の話を聞き取った後に写真を撮影。メインとなるポートレートと数枚のスナップ、被爆者の体験や自らの感想をまとめた文を仕上げた。
このうち県立長崎南高2年の遠藤光さん(17)は、4歳の時に被爆した増川雅一さん(80)を取材。同校新聞部で活動する中で、災害や戦争の「記憶の継承」に関心を持ったという。遠藤さんは「大勢で被爆講和を聞くのとは違い、一対一の取材。自分が聞きたいことや、増川さんの思いを深く知ることができた」と手応えを感じた様子。増川さんも「若者と被爆者が相手の目を直接見て、じっくりと話ができる良い企画」と喜ぶ。
草野さんは自身の経験を踏まえ「話を聞くだけではなく撮影も加えることで、より深いコミュニケーションが生まれる」と語る。今回の撮影でも、被爆者が若者に語り掛けるような柔らかい表情を浮かべ、写真に収まっていたのが印象的だという。草野さんは「若い人たちが素直な感性で撮影した写真と、考えた文章を多くの人に見てほしい」と呼び掛ける。今後もプロジェクトへの参加者を募るという。
プロジェクトは本年度、長崎市の「平和の新しい伝え方応援事業」に選ばれている。作品展は無料。開館時間は午前9時半~午後5時半(27日は午後2時まで)。休館日は14、22日。  (三代直矢) 』

3月12日(土)には、堀田武弘さん(80)を取材した原田晋之介さん(15)が約15名の観客の前で作品解説を行いました。堀田さんから聞き取った被爆時の状況や、被爆後の人生などをまとめた内容をテレビ画面にうつしながら、自分の感想も交えて発表しました。
そして、「被爆者がいなくなる日は必ず来るので、いま被爆者から沢山話を聞いて、伝えていきたい」と決意を述べました。これからの継承活動の担い手となる若者の頼もしい姿を見ることができました。
 

3月19日(土)には、遠藤光さん(17)と、横木優葵乃さん(17)が作品解説を行います。
事前予約が必要ですので下記ページよりお申込み下さい。
https://www.studio1ngs.com/event
展示は3月27日(日)14時まで開催しています。

ミュージアムの外では、正面のシバザクラ、昨年種を蒔いたネモフィラなど色とりどりの花が咲き始めました。平和のバラも青々とした葉が茂りはじめ、例年より少し早い春の訪れを感じます。
皆様のお越しをお待ちしております。
 
 

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