2020/9/16 P・サヴィアーノ写真展

〇「“お父さん”と声を掛けた」
   ~P・サヴィアーノ写真展(~10/4)

「キノコ(原子)雲の下で何があったのか」
アメリカ・ニューヨーク在住の若きカメラマン、ポーレ・サヴィアーノ(Paule Saviano・1974生)さんが長崎・広島の被爆地や東京・ドレスデン(ドイツ)など大空襲被災地の被災者を対象に制作した『プロジェクト・上空より(From Above)』写真展は2008年から各地で大きな反響を呼んでいます。
ナガサキピースミュージアムでは2010年から展示し、今回が3度目です。因みに長崎では長崎県美術館・長崎原爆死没者追悼平和祈念館などでも展示、特に平和祈念館では常設展にもなっています。
『ぼくには、ただ写真を撮ることしかできない。歴史書に書かれていること、書かれていないこと、そこには人間一人一人の顔や表情は見えて来ない。だからぼくは彼らに会い、話を聞き、今を生きる彼らの人生から直接学びたい。ぼくたちの世代が忘れてはならない被爆者の方たちの肖像を撮影したい。ぼくの撮った写真で彼らのメッセージや生きた証(あかし)が引き継がれてほしい』・・・ポーレ・サヴィアーノさんのメッセージです。

長崎新聞には今日9月16日付・第12面(ローカル)の特集「被爆・戦後75年」枠内で掲載して頂きました。酒井環記者の取材です。全文紹介させて頂きます。
『 被爆者らの表情 捉えた白黒写真 ナガサキピースミュージアムで展示
 世界各地で戦争の被害に遭った人々の写真を撮影している米国の写真家、ポーレ・サヴィアーノ氏が長崎の被爆者らを撮影した写真展が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。2017年に亡くなった故谷口稜曄(すみてる)さんら14人の被爆者の表情を捉えた白黒写真13点を展示している。10月4日まで。入場無料。
 サヴィアーノ氏は初来日した06年、被爆者の存在を知り、撮影を始めた。米国の水爆実験で静岡のマグロ漁船が被ばくした「第五福竜丸事件」や東京大空襲など、これまで200人以上の被災者と面会。体験を聞き取りながら撮影活動を続けている。これまで広島、長崎の両被爆地や京都、ドイツなどでも写真展を開いている。
 同展では、サヴィアーノ氏が10年から18年にかけて日本国内で撮影した写真を展示。木に囲まれながらたたずむ谷口さんの写真には、忘却が原爆肯定につながることへの危機感を伝える谷口さんのメッセージを添えている。
 同展に写真が展示されている故深堀柱(あきら)さんの妻で、娘と孫の親子3世代で訪れた初子さん(87)は「(夫の写真を見て)涙が出た。懐かしくて、『お父さん』と声を掛けた」と夫との再会をかみしめた。 (酒井環)』

開催中のポーレ・サヴィアーノ写真展『上空より』 FROM ABOVE in 長崎 2020は、10月4日(日)午後2時までで、入場は無料です。マスク着用でご覧下さい。
ナガサキピースミュージアムは長崎港松ケ枝観光ふ頭ターミナルビルに隣接しています。公営駐車場(有料)もありますが、路面電車ですと「大浦海岸通」下車、長崎バスですと「グラバー園入り口下車で徒歩2~3分程度です。ご来館をお待ちしています。

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