2020/9/13 米写真家が撮影した“ヒバクシャ”展

〇米国教育では教えなかった“きのこ(原子)雲”の下
 ~ポーレ・サヴィアーノ “上空より”展(~10/4)

ナガサキピースミュージアムで開かれている展示会の初日(9月8日)、USA-NY在住のポーレ・サヴィアーノ(Paule Saviano・1974生)さんはオンラインで記者会見を開き、長崎で被爆者を撮影した動機や経過を説明しました。

NHK-TVは、8日夕方のニュース番組 『イブニング長崎』(18:10-19:00)で放送しました。榊汐里記者の取材です。全文紹介させて頂きます。

『世界各地の戦争被害に遭った人たちを被写体に撮影を続けているアメリカの写真家が長崎のヒバクシャらを撮影した写真の展示が長崎市で始まりました。
写真展には、世界各地の戦争で被害に遭った人たちを被写体に撮影を続けるアメリカの写真家、ポーレ・サヴィアーノさんが撮った長崎のヒバクシャたちのモノクロ写真13点が展示されています。
サヴィアーノさんは写真展に合わせて長崎を訪れる予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で渡航が出来ず、今日はニューヨークの自宅とテレビ電話で繋ぎ、写真に込められた思いなどを語りました。

<記者Q> 「何故ヒバクシャや戦争経験者を撮り始めたのですか?」
<ポーレ> 「これまでは日本で原爆が落とされたことを歴史の教科書で学んだ。しかし、アメリカでは数字や統計ばかりで、キノコ雲の下の人々については聞いたことがなかった。僕は、彼らがどう生き延びたのか  何を乗り越えたのかを実際に知りたかった」

このうち、3年前に亡くなったヒバクシャの谷口稜曄(すみてる)さんの写真は、谷口さんが大木に囲まれて立っている全身が撮影されています。

<ポーレ> 「谷口さんは1時間ほど僕に語ってくれた。8月9日に自転車で郵便配達中に被爆した経験を教えてくれた。写真では、彼が地面に根を張る大木のように力強く立っている姿が分かると思う。彼は繊細であり、とても強い人だと僕は感じた」

また、長崎市の平和公園での座り込みに長年参加し、核廃絶を訴え続け、3年前に亡くなったヒバクシャの吉田勲さんの写真は平和祈念像の前で撮影されたものです。

<ポーレ> 「吉田さんに写真を撮ってほしいと頼まれた。彼が普段平和集会を行う場所で写真を撮った。不運なことに僕が長崎で展示会を開く少し前に彼が亡くなって写真を見せることが出来なかった。
ヒバクシャの多くは亡くなってしまったが、僕の撮った写真で彼らのメッセージや生きた証(あかし)が引き継がれてほしい」

この写真展は長崎市のナガサキピースミュージアムで、入場無料で、来月(10月)4日まで開かれています』

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