2018/10/28 「市民セミナリヨで“浦上・潜伏のお話”」

〇市民セミナリヨで“浦上・潜伏”のお話
(2018・10/27・浦上キリシタン資料館)
アジェンダNOVAながさき(代表・林田愼一郎さん)が主催している「市民セミナリヨ」が10月27日(土)、長崎市平和町「浦上キリシタン資料館」で開かれ、近世古文書会会員でカソリック浦上信徒の岩永勝利さんが 『潜伏したキリシタンの真実(光と影)』のテーマで60分に渡り講演しました。
 
キリシタン史に詳しい安高啓明(熊本大学准教授)さんによりますと、ザビエルが鹿児島上陸以降日本のキリスト教史を象徴する言葉に「光と影」があります。「光」は、思想・文学・医学などの面において飛躍的に昇華する原動力となった宗教観が一時代を気づいたいわゆる“南蛮時代”。「影」は、近世社会において世界史的には稀有なキリスト教の布教と進行が禁じられたことです。
岩永さんはこの「光と影」の視点から、キリシタン潜伏時代とは何であったのか・・・江戸幕府の禁教政策、キリシタンの信仰史の両面からその時代を特定するとともにキリスト教が排斥されるに至った経過、及び、排斥の理由を日本が西洋と交流を計って行く近代化への道を織り交ぜながら紹介しました。
この中で特に禁教下における浦上・外海のキリシタンがいかにしてその厳しい詮議、弾圧に耐えて信仰を守り通したかを具体的な例を挙げながら詳細に証言しました。
明治維新から150年、日本の近代史を語る様々なイベント・取り組みなどが展開されています。
近代化を踏み出したすぐに明治新政府がとったキリシタンへの激しい処分~いわゆる「浦上四番崩れ」の悲劇は、キリシタン史に留まらず日本の近代発展史における一つの大きな汚点として語られ、参加された50人を超える人たちの心に強く残ったようです。
 
岩永さんのお話のあとは、恒例の音楽が披露され、南山学園小学校の子供達が讃美歌や「アベマリア」を歌い参加者の拍手を浴びていました。
「アジェンダNOVAながさき」の次回・市民セミナリヨは11月24日(土)14:00から、神父で俳人でもあった川添猛さんの一周忌に因んで古巣神父の講演「みみずの子の思い」を予定しています。
お問い合わせは、電話:095-807-5646へお願いします。

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