2018/5/5 こどもの日

〇こどもの日~春風に舞う“こいのぼり”!(2018・5/5)
ナガサキピースミュージアムは2018年4月19日、開館15周年を迎えました。
名誉館長を務めて頂いている長野県諏訪市在住の画家・原田泰治さんから一枚の絵が届きました。
『ただいま』で、取材地は広島県山県郡芸北町とあり、原田さんのメッセージが添付されています・・・「入学したばかり、赤いランドセルの一年生がカタコト音をたてて帰ってきた。5月の風にコイのぼりが泳ぐ。田植えの終わった田に、ひ弱な苗がしま模様をつくる。まもなくすると兄さんや姉さんも学校から帰ってくる。草花が咲く田の土手が、子供たちの集まりを待っているかのようだ。」<原田泰治が描く「日本の童謡・唱歌100選」(2017年11月1日・(株)DNPアートコミュニケーションズ発行*「背くらべ」より転載>


原田泰治「ただいま」<1993年:アクリル画・655X535mm>

5月5日は「こどもの日」で、国民の祝日です。1948(昭和23)年施行された『国民の祝日に関する法律(第178号)』にはその第1条で 『自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな社会を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。』と書いてあり、全部で16の祝日が制定されています。
「こどもの日」(5月5日)は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」とあります。

  
<長崎市立西浦上小学校(大手町)*浦上川沿い>

長崎市立西浦上小学校は国道・長崎バイパス「浦上トンネル」昭和町側出口そば、浦上川沿いにある児童数約800人の大規模校です。1872(明治5)年、日本が近代的学校制度を始めた「学制発布」とともに設置され、戦前は長崎師範学校の付属小学校も務めましたが、1945(昭和20)年8月9日の原爆投下の被害を受け、校舎は全壊し、教師・児童併せて200余人が爆死しました。
学校前の浦上川には毎年この時期たくさんの「鯉のぼり」が飾られ、風物詩となっています。
1988(昭和63)年から、PTAや自治会など地域ぐるみで取り組まれたそうで、トンネルを出て長崎市に入られた県外のお客様を歓迎するとともに、少子化で少なくなった子どもたちの健やかな成長、そして何より、戦争のない平和な郷土の発展を願って家庭に眠っている「鯉のぼり」を出し合って川幅いっぱいにロープを張って飾り付けられました。当初は大きなものが多く100匹を上回っていたそうですが破損や汚れなどの影響でこのところは50~60匹程度に減少したそうですが、それでも春風を受けて大きく泳ぐ様子は人々に日本の良き伝統の美しさを伝えているようです。

(1) 『やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる』
(2) 『みどりの かぜに さそわれて
ひらひら はためく ふきながし
くるくる まわる かざぐるま
おもしろそうに およいでる 』
誰もが歌った「こいのぼり」の歌です。1931(昭和6)年刊行「エホンショウカ」=昭和初期の作だということで、「端午の節句(男の子を祝う)」だったせいでしょうか、「おかあさん」が出て来ません。誰か気づいたのでしょうね、昭和後期、1982(昭和57)年頃には、2番の歌詞にちゃんと出ています。
(2) 『やねより たかい こいのぼり
おおきい ひごいは おかあさん
ちいさい まごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる』

この歌とは別に、こんな歌もありました。<1913(大正2)年・文部省唱歌>
『*甍(いらか)の波と 雲の波  重なる波の 中空(なかぞら)に
橘(たちばな)かおる 朝風に  高く泳ぐや 鯉のぼり
*開ける広き 其の口に  舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には  物に動ぜぬ姿あり
*百瀬(ももせ)の滝を 登りなば  忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と  空に躍るや 鯉のぼり』

因みに、総務省が5月4日発表した日本の人口推計によりますと、子ども(14歳以下)の数は、1553万人で、ピーク時(1954年)の2989万人から大きく減少しています。総人口12億人の約12%だそうですよ。

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